OZabオズエービー公式ブログ
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もう何年まえだろうか?
横浜の映像関係の会社でアルバイトしていた頃の同僚に、カバンを持ち歩かない人がいた。 その人は俺より少し年上で、当時40半ばくらい? とにかく不思議な人だった。 仮にAさんする。 Aさんは、週末にブライダルのスナップカメラマンの研修を受けながら、平日は事務所で雑用みたいな仕事をしていた。 ある日、残業で遅くなったAさんを、最寄りの駅まで車で送って行くことになった。 当時、部署が違ったのであまり会話をしたこともなかったが、Aさんはオウムの地下鉄サリン事件の被害者らしいと話に聞いていたので多少興味もあった。 二人で車に乗り込んで、駅までは15分足らずの道のり。 A「ハセガワくん、わざわざゴメンネ、ホントありがとね」 俺「いえいえ、帰り道ですから。...ところでAさん、サリンの被害にあったってホントですか?」 A「え? 知ってんの? そうなんだよね」 俺「地下鉄に乗ってたんですか?」 A「ううん。乗ってないよ」 俺「え? じゃどうして?」 A「地下鉄の通風口みたいなのが歩道にあるでしょ? 鉄の金網みたいになってて、ブワッっと風が吹き出す所」 俺「マリリンモンローのスカートがめくれるような所?」 A「そうそう。そこに立ってて吸っちゃったらしいんだよね。よく覚えてないんんだけど」 俺「...そうなんですか」 A「病院でさ、大変だったよ」 俺「何がですか?」 A「手ぶらだったからさ、怪しまれたんじゃない? 事件関係者かと...」 俺「手ぶらで何してたんですか?」 A「それが、よく覚えてないんだよねー」 てな話をしているうちに、駅に着いた。 A「送ってくれてありがとうねー」 俺「Aさん、荷物は?」 A「おれ、手ぶらだから、だって仕事で使う道具ないでしょ」 そりゃ、そうだけど。 Aさんは颯爽と車を降りて、改札に向かう。 会社帰りのサラリーマンとすれ違う、手ぶらの大人Aさん。 夕方になると、サリンの後遺症の偏頭痛に悩まされたAさん。 暫くして音信不通になった。 どうしてるだろう? いまも手ぶらかなぁ? PR |
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